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1 Red Hat Enterprise Linux
概要
このセクションでは、Red Hat Enterprise Linux用の公式Zabbixパッケージを使用して、Zabbix 5.4.xからZabbix 6.0.xへのアップグレードを成功させるために必要な手順を説明します。
Zabbixエージェントのアップグレードは必須ではありません（ただし推奨します）が、Zabbixサーバーとプロキシは、同じメジャーバージョンであることが必要です。したがって、サーバーとプロキシの設定では、Zabbixサーバーとすべてのプロキシを停止してアップグレードする必要があります。 サーバーのアップグレード中にプロキシを実行し続けたとしても、プロキシのアップグレード時に古いデータが破棄され、プロキシの構成がサーバーと同期されるまで新しいデータが収集されないため、メリットがありません。
プロキシ上のSQLiteデータベースは、データベースのアップグレードがサポートされておらず、データベースファイルを手動で削除する必要があるため、アップグレード前のプロキシからのヒストリデータは失われることに注意してください。プロキシが初めて起動され、SQLiteデータベースファイルが見つからない場合、プロキシは自動的に作成します。
データベースのサイズによっては、バージョン6.0へのデータベースアップグレードに時間がかかる場合があります。
アップグレードを開始する前にアップグレードノートを必ずお読みください！
以下のアップグレードノートがあります：
| アップグレード元 | アップグレードノート全文 | バージョン間での最も重要な変更 |
|---|---|---|
| 5.4.x | Zabbix 6.0 | 要求されるデータベースの最低バージョンの上昇 古いデータベースでサーバーとプロキシは起動不能 データベースの構造変更のため監査ログのレコードが消える |
| 5.2.x | Zabbix 5.4 Zabbix 6.0 |
要求されるデータベースの最低バージョンが上昇 集計アイテムが個別のタイプから削除 |
| 5.0.x LTS | Zabbix 5.2 Zabbix 5.4 Zabbix 6.0 |
要求されるPHPの最低バージョンが7.2.0から7.2.5に変更 |
| 4.4.x | Zabbix 5.0 Zabbix 5.2 Zabbix 5.4 Zabbix 6.0 |
IBM DB2のサポートを削除 要求されるPHPの最低バージョンを5.4.0から7.2.0に変更 要求されるデータベースの最低バージョンが上昇 ZabbixのPHPファイルのディレクトリ変更 |
| 4.2.x | Zabbix 4.4 Zabbix 5.0 Zabbix 5.2 Zabbix 5.4 Zabbix 6.0 |
Jabber、Ez Textingのメディアタイプ削除 |
| 4.0.x LTS | Zabbix 4.2 Zabbix 4.4 Zabbix 5.0 Zabbix 5.2 Zabbix 5.4 Zabbix 6.0 |
古いプロキシからアップグレードされたサーバーへのデータ通知不可 新しいエージェントは古いZabbixサーバーとの動作不可 |
| 3.4.x | Zabbix 4.0 Zabbix 4.2 Zabbix 4.4 Zabbix 5.0 Zabbix 5.2 Zabbix 5.4 Zabbix 6.0 |
'libpthread'および'zlib'ライブラリが必須 プレーンテキストのプロトコルが削除されヘッダー必須 バージョン1.4以前のZabbixエージェントのサポート終了 パッシブプロキシの設定にServerパラメーターが必須 |
| 3.2.x | Zabbix 3.4 Zabbix 4.0 Zabbix 4.2 Zabbix 4.4 Zabbix 5.0 Zabbix 5.2 Zabbix 5.4 Zabbix 6.0 |
ZabbixサーバーとWebインターフェースのバックエンドデータベースとしてSQLiteのサポートは削除 POSIX拡張の代わりにPerl互換正規表現(PCRE)をサポート Zabbixサーバーに'libpcre'および'libevent'ライブラリが必須 'nowait'フラグが設定されていないUserParameter、リモートコマンド、system.run[]アイテムは、Zabbixサーバーで実行されるスクリプトと同様に終了コードのチェックを追加 Zabbix Javaゲートウェイは新しい機能をサポートするためアップグレード必須 |
| 3.0.x LTS | Zabbix 3.2 Zabbix 3.4 Zabbix 4.0 Zabbix 4.2 Zabbix 4.4 Zabbix 5.0 Zabbix 5.2 Zabbix 5.4 Zabbix 6.0 |
ヒストリテーブルのサイズによっては、データベースのアップグレード処理に時間がかかる |
| 2.4.x | Zabbix 3.0 Zabbix 3.2 Zabbix 3.4 Zabbix 4.0 Zabbix 4.2 Zabbix 4.4 Zabbix 5.0 Zabbix 5.2 Zabbix 5.4 Zabbix 6.0 |
要求されるPHPの最小バージョンが5.3.0から5.4.0に変更 エージェントのLogFileパラメータが必須 |
| 2.2.x LTS | Zabbix 2.4 Zabbix 3.0 Zabbix 3.2 Zabbix 3.4 Zabbix 4.0 Zabbix 4.2 Zabbix 4.4 Zabbix 5.0 Zabbix 5.2 Zabbix 5.4 Zabbix 6.0 |
ノードベースの分散監視削除 |
| 2.0.x | Zabbix 2.2 Zabbix 2.4 Zabbix 3.0 Zabbix 3.2 Zabbix 3.4 Zabbix 4.0 Zabbix 4.2 Zabbix 4.4 Zabbix 5.0 Zabbix 5.2 Zabbix 5.4 Zabbix 6.0 |
要求される最小のPHPバージョンが5.1.6から5.3.0に変更 ZabbixサーバーがMySQLデータベースと正しく連携するには、大文字と小文字を区別する文字コードセットutf8と照合順序utf8_binが必須。データベース作成スクリプト参照 PHP拡張機能の'mysql'の代わりに'mysqli'を使用するよう変更 |
6.0用のシステム要件でチェックしてください。
アップグレード中に並行してSSHのセッションを実行し、一方でアップグレード手順を実行し、もう一方でサーバーやプロキシのログを監視すると便利な場合があります。例えば、tail -f zabbix_server.logまたはtail -f zabbix_proxy.logを実行すると、最新のログとエラー発生をリアルタイムで把握することができます。これは、本番環境のインスタンスにとって重要です。
アップグレード手順
1 Zabbixプロセスの停止
Zabbixサーバーを停止して、データベースに新しいデータが挿入されていないことを確認します。
プロキシもアップグレードする場合は、プロキシも停止します。
アップグレードされたサーバーにアップグレードされていないプロキシがデータを報告することはできなくなりました。このアプローチはZabbixによって推奨もサポートもされていませんでしたが、現在は正式に無効になっています。
2 既存Zabbixデータベースのバックアップ
これは非常に重要なステップです。データベースのバックアップがあることを確認してください。アップグレード手順が失敗（ディスク容量の不足、電源オフ、予期しない問題）した場合に役立ちます。
3 設定ファイル、PHPファイル、Zabbixバイナリのバックアップ
Zabbixバイナリ、設定ファイル、PHPファイルディレクトリのバックアップコピーを作成します。
設定ファイル:
# mkdir /opt/zabbix-backup/
# cp /etc/zabbix/zabbix_server.conf /opt/zabbix-backup/
# cp /etc/httpd/conf.d/zabbix.conf /opt/zabbix-backup/PHPファイルとZabbixバイナリ:
4 リポジトリ構成パッケージ更新
アップグレードを続行するには、現在のリポジトリパッケージを更新する必要があります。
5 Zabbixコンポーネントのアップグレード
Zabbixコンポーネントをアップグレードするには、次を実行します。
PostgreSQLを使用している場合は、コマンドのmysqlをpgsqlに置き換えます。プロキシをアップグレードする場合は、コマンドのserverをproxyに置き換えてください。エージェント2をアップグレードする場合は、コマンドのzabbix-agentをzabbix-agent2に置き換えてください。
Apacheを使用しているWebインターフェースをRHEL8 で正しくアップグレードするには、次を実行し、
このファイルに必要な変更を加えます。
RHEL 7でWebインターフェースをアップグレードするにはディストリビューション固有の手順に従ってください。（PHP 7.2以降をインストールするには追加の手順が必要です）
6 コンポーネント構成パラメーターの確認
必須の変更の詳細については、アップグレードノートを参照してください。
7 Zabbixプロセスの起動
更新されたZabbixコンポーネントを起動します。
# systemctl start zabbix-server
# systemctl start zabbix-proxy
# systemctl start zabbix-agent
# systemctl start zabbix-agent28 Webブラウザのクッキーとキャッシュのクリア
アップグレード後、ZabbixのWebインターフェースが正しく機能するために、Webブラウザのクッキーとキャッシュのクリアが必要になる場合があります。
マイナーバージョンのアップグレード
6.0.xはマイナーバージョンのアップグレードが可能です。（たとえば6.0.1から6.0.3）マイナーバージョンのアップグレードは簡単です。
Zabbix全体のマイナーバージョンをアップグレードするには、次のコマンドを実行します。
Zabbixサーバーのマイナーバージョンをアップグレードするには、次のコマンドを実行します。
Zabbixエージェントのマイナーバージョンをアップグレードするには、次のコマンドを実行します。
エージェント2の場合は
これらのコマンドでは「upgrade」の代わりに「update」を使用可能です。'upgrade'は不要になったパッケージの削除を自動で行いますが'update'はそれらを保持します。