ニフティ株式会社様導入事例

「開発サービス」で実現した仮想化環境監視機能で世界最大規模のインフラを監視するニフティクラウド

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OBJECTIVE

仮想マシンの大規模ネットワークにおいて、Zabbix開発サービスを利用した大規模なパフォーマンス改善が必要だった

REQUIREMENTS

費用対効果を保証した上で、多様性の高いパフォーマンス監視が、現行ソフトウェア、インターフェース、標準的な機器のプラットフォーム対して行えること

APPROACH

Zabbix開発サービスを利用し、VMware監視機能の開発スポンサーになった

OUTCOME

監視パフォーマンスの改善

VMリソースの統合監視ができる新機能

自動化による運用コストの削減


ニフティクラウドの高品質なサービスを支える監視

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2010年から国産クラウドサービス「ニフティクラウド」の提供を開始し、今や4,100件を超える導入実績を誇るニフティ。IaaSサービスに加え、その上の開発環境もまとめて提供するPaaSや、すぐに使えるオンラインショッピングサイトなどが提供されるSaaSなど、フルスタックのサービスを展開している。@niftyのサービスでも利用してきた複数のデータセンターを用いて、高いSLAを定め、高品質なサービスを提供していることが特徴だ。

一連のサービス基盤となっているのは、VMwareが提供するハイパーバイザー「vSphere ESXi」。そして、その稼働状況の監視に活用されているのが「Zabbix」である。「VMware vCenter Server」と連携し、Zabbix Serverで世界的に見ても大規模な環境で、ローレベルディスカバリやパフォーマンス監視を実現している。

ニフティ株式会社 クラウド事業部 クラウドインフラ部の日下部雄也氏によると、VMware環境の監視を可能にしたのが、Zabbixの「開発サービス」だという。

開発サービス

元々Zabbixに含まれていない機能を、個別の要望に応じて開発し、Zabbix本体に取り込むサービス。その内容は微調整から大規模なカスタムプロジェクトに至るまでさまざまであり、個々の環境に合わせた「特定機能の開発」と、他のユーザーとともに「一般的な機能の開発」のスポンサーとなるという二通りの方法がある。「仮想化環境の監視機能」は後者の形で、ニフティからの支援を受けて開発され、Zabbix 2.2で正式にサポートされた。

「いざという時に自分で直せる」オープンソースの強み

日下部 雄也 氏
クラウド事業部 クラウドインフラ部
日下部 雄也 氏

もともとニフティでは、ニフティクラウドストレージやコントロールパネルなど、さまざまなシステムの監視にZabbixを採用していた。「以前の監視ツールでは、何か障害が起こったときに表示されるグラフの粒度が荒かった上、監視項目のカスタマイズなどの改修がシステム上の制約で出来ませんでした」と日下部氏。

その点Zabbixは、パフォーマンス監視やグラフの表示、アラートなど必要な機能が一通りそろっている。「何でもできる」点が評価され、現在では、大部分の監視に利用されているという。

日下部氏は、Zabbixがオープンソースソフトウェアであることも大きな要因だと言う。「ソースコードを見られるため、何かあったときでも、ちょっとしたことだったら自分で直すことができます。ソースが見えないソフトウェアの場合はそうはいかないため、もどかしい気持ちになります。」(同氏)。

開発サービスを用いて二人三脚、仕様策定からバグ修正まで

ニフティはこの延長線上で、vSphere ESXiとその上で動作している仮想マシンを直接監視できないかと考えた。

それまでは、過去にPerlで作成された独自スクリプトを用いて、vCenter Serverから情報を取得し、計算を行った結果をZabbixに渡していたという。しかし、「この方法ではパフォーマンスが悪く、vCenter Server自体にも負荷がかかるという問題がありました。そこで他の監視手段がないか、探し始めたのがきっかけです」(日下部氏)。

いくつかの商用ソフトウェアも候補に挙がったが、コストの面でどうしても見合わない。ちょうどそのタイミングで、Zabbix開発サービスのリクエストの1つとして「仮想化環境の監視機能」が挙がっていることを知った日下部氏は、これに協力することを提案し、ニフティが開発に投資することになった。

当時は日本法人であるZabbix Japanの設立前。今はZabbix Japanの代表を務める寺島広大が本社側のコミュニケーション窓口となってやり取りし、仕様を決めていった。その成果が2013年11月にリリースされたZabbix 2.2で仮想化監視機能として搭載されている。

この結果、vSphere ESXiとその上で動作する仮想マシンのCPUやメモリ、ネットワーク使用率といった情報を5分おきに取得できるようになった。加えて、仮想マシンの新規構築時や、Distributed Resource Scheduler(DRS)を活用してvMotionが発生した際にも、どのハイパーバイザー上にどの仮想マシンがいるかをZabbixからも把握し、ホスト名など任意のキーワードでグルーピングして管理できるようになった。

一連の開発に必要な資金はニフティから提供された一方で、成果物はZabbix本体にマージされて提供されている。自社がコストを負担しながら成果物をオープンにすることについて、日下部氏は、「運用、監視にはなるべくコストをかけたくないため、オープンソースとして、今後のバージョンアップに伴うコストが発生しない方がいいと判断しました」と述べる。

ただ、ニフティが監視している仮想マシンの台数は、世界的に見ても有数の規模だ。このため、検証環境では見つからなかった思わぬバグが発見されることにもなった。「以前から仮想化環境の監視機能を検証環境で試していて、いよいよバージョン2.2で正式にサポートされたので順番に本番環境に投入していったところ、vSphere ESXiが100台までしか監視できないことが分かりました」(日下部氏)。

日下部氏は早速、自力でパッチを作成し、そのソースコードとともにZabbix本社にバグ報告を行った。「その後の対応はスムーズでした。これ以外にもパフォーマンス改善のためにたくさんの修正が行われましたが、修正された部分を見るととてもよくチューニングされていて、凄腕のCプログラマーが書いていることがよく分かります」(同氏)。こうした紆余曲折を経て、2015年頭からはバージョン2.4を用いて、本格的にVMware環境の監視を行っているという。

究極の「生き物のようなインフラ」を目指す上でZabbixが鍵に

ニフティクラウドでは今後、物理機器の監視にもZabbixを活用していく方針だ。最終的には、「生き物のように自分で障害箇所を切り離し、修理後自動復帰させるといった自律的なインフラ」を目指すという。

「ハードウェアに障害が発生する前には何らかの前兆が出ることが多いです。その予兆をとらえ、影響が実際にお客様に及ぶ前にそのコンポーネントを切り離す作業を、Zabbixのアクション機能を用いて、さらに自動化していけないかと計画しています。自律したデータセンター、生き物のようなインフラを実現していく上で鍵を握るのはZabbixだと考えています」(日下部氏)。


システム概要

マルチテナント監視: 各拠点にZabbixサーバーを置き複数拠点の監視を実施

Zabbixがインストールされているハードウェア: VMware上の仮想マシン

NVPS(1秒あたりの監視項目数)): 全環境合計4,000程度(最大の環境で1,200程度、今後5倍程度に増加する予定)


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ニフティ株式会社概要

本社:東京都新宿区
設立:1986年2月
従業員数:連結:743名
     単体:646名
(2015年3月31日現在)
資本金:3,746,779,000円
(2015年3月31日現在)

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ニフティ株式会社は、インターネットサービス「@nifty(アット・ニフティ)」を運営するインターネットサービス事業者です。

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