Zabbix社、IoT機器やスクリプトを利用した柔軟な監視(Synthetic monitoring) に対応したZabbix 5.2のリリースを発表
2020年10月28日
~複雑な合成モニタリングやセキュリティ関連の改善、IoT機器や産業機器の監視機能など30以上の新機能と機能強化を搭載~
Zabbix社(本社、Zabbix LLC:ラトビア共和国、代表取締役社長: Alexei Vladishev (アレクセイ ウラジシェフ)、日本支社、Zabbix Japan LLC:東京都港区、代表:寺島広大)は、オープンソース監視ソフトウェアZabbixの最新バージョンZabbix 5.2をリリースしました。
Zabbixはネットワーク・サーバー・ネットワーク機器・サービス・その他のITリソースの監視・追跡を行うためのエンタープライズクラスのオープンソースのモニタリングソリューションです。
Zabbix社は、複雑な合成モニタリングやセキュリティ関連の改善、IoT機器や産業機器の監視機能など30以上の新機能と機能強化を搭載した最新バージョンZabbix 5.2のリリースを発表します。
Zabbix 5.2の特徴
スクリプトを利用した柔軟な監視処理
JavaScriptを利用した監視データ収集設定に対応し、複雑な取集データの加工や複数ステップの監視処理が可能になりました。
スクリプトからHTTPリクエストを送信することができ、クラウドやマイクロサービス、アプリケーションの監視を行う場合に、複数回のリクエストを実行して監視データの収集が行えるなど、より柔軟な監視処理を行うことができます。
収集済みデータの分析による障害検知
新たに利用できるトリガー関数は、蓄積した長期間の監視データを解析し、通常時とは異なる値を障害として検知することができます。
「9月にネットワークトラフィック量が28%増加した」、「先週の新規ユーザー登録数が12%減少した」など、これまでの単純な閾値監視だけではなく、異常値を検知して障害通知を行うことができるようになりました。
この機能はシステムのリソースの監視だけではなく、セールスやマーケティングの効果、カスタマーサポートのクオリティなどのビジネスパフォーマンスを測定するためのKPIにも利用できます。
認証情報をよりセキュアに保存
HashiCorp社のVaultと連携することでパスワード、暗号化キー、トークン、ユーザー名などの機密情報を安全に保存できます。
Zabbixのデータベースにはこれらの認証情報を保存せずにセキュアな方法で外部へ保存ができるようになり、監視システムをより安全に運用できるようになります。
ユーザーロールによる柔軟な権限制御
ユーザーロールの機能を追加し、ユーザーごとにWebインターフェースの各メニューや各設定、Zabbix APIの各メソッドへのアクセス許可を細かく設定できるようになりました。これにより、ダッシュボードのみにアクセスできるユーザーを作成したり、特権管理者ユーザーのアクセス権限を制限することができます。
また、APIメソッドに対するきめ細かい権限設定を行うことで、より安全にサードパーティのツールとの統合が行えます。
IoTと産業機械の監視
IoTのスタンダードであるMQTTとModbusプロトコルに対応しました。センサーや産業機器で一般的に利用されているこれらのプロトコルを利用して、センサーやFA機器をZabbixで一元的に監視することが可能です。
これらのプロトコルの対応はZabbixエージェント、またはZabbixエージェント2で行っており、エージェント経由で監視対象の機器から監視データを収集できます。
UIとAPIの負荷分散
WebインターフェースとAPIは複数のノード構成時にスケーリングに対応するようになり、HA Proxyなどのツールを介した負荷分散や冗長構成に対応するようになりました。
カスタムビュー
フィルター設定をを名前をつけて保存し、クリック1つで再利用が可能です。例えば、障害画面でサービスやデータセンターごとに 異なるフィルターの設定を保存しておき、即座に切り替えて障害発生状況を確認することが可能になりました。
YAMLのインポート/エクスポート
ホストやテンプレートのインポート/エクスポートにYAML形式のデータを利用できます。可読性の高いフォーマットで管理が可能です。
ユーザビリティの改善
Webインターフェースには様々なユーザビリティの改善を行っています。
- 個々のユーザーでのタイムゾーン設定が可能です。 これによりグローバルチームによる監視が便利になりました
- メンテナンス設定フォームのレイアウトを改善しました
- 取得不可状態のアイテムのリトライ処理を簡略化しました
- システム全体のデフォルト言語を指定できるようになりました
- ダッシュボードの一覧画面で、自分が作成したダッシュボードと共有設定がより分かりやすく表示されます
- SNMPアイテムのテストでSNMPのパラメータの指定が可能になりました
- 監視結果がエラーとなる監視データの取得時に、保存前処理を利用してデータの破棄や指定した値の保存、カスタムエラーの設定が行えるようになりました
- テンプレートのホストスクリーンをダッシュボードに統合しました。設定は自動的に変換されます
- デフォルトのテンプレート名を短く簡単にしました
その他にも以下の様々な機能改善を行っています。
- ホストインターフェース設定がないホスト設定が可能に
- ホストプロトタイプでタグ設定が可能に
- value cache状態と内容を確認するための機能
- ホストプロトタイプでホストインターフェースの設定が可能に
- 保存前処理でユーザーマクロを利用可能
- イベントログ関連のマクロを運用データで利用可能
- アイテムの説明設定でユーザー定義マクロを利用
- Zabbixエージェントのアクティブチェックで複数の異なるホスト設定が可能
- ユーザー定義マクロの設定文字数を2048バイトへ拡張
- 保存前処理にHTTPヘッダーを処理する機能を追加
Zabbix 5.2は次期メジャーバージョンのリリース後1ヶ月間までサポートを提供するポイントリリースバージョンです。ポイントリリースと長期サポート(LTS)リリース、Zabbix サポート期間とリリースポリシーに関する詳細は、サポート期間とリリースポリシーをご覧ください。
Zabbix 5.2ではその他にも様々な機能強化や新機能の追加を行っています。詳細は下記のページから確認いただけます。
スクリーンショット
ダッシュボード
スクリプトを利用した柔軟な監視処理
収集済みデータの分析による障害検知
認証情報をよりセキュアに保存
ユーザーロールによる柔軟な権限制御
Zabbix 5.2のダウンロード
Zabbix監視ソリューションについて
Zabbixは多数のサーバ、仮想マシン、ネットワーク機器、アプリケーションから数百万の監視データを収集し、リアルタイム監視を実現するエンタープライズクラスのオープンソースの監視ソリューションです。大規模環境にも対応したパフォーマンスを持ち、正確な統計と性能情報を収集、分析、可視化や、現在の状況や潜在的な問題を遅延なく通知する事が可能です。
- 軽量なエージェントによる監視、エージェントレス監視、プロキシによる分散監視とZabbixサーバによる中央管理が可能にする拡張性の高いアーキテクチャ
- ディスカバリによる自動監視設定:サーバやネットワーク機器などの監視対象と、監視対象が搭載しているファイルシステム、ネットワークインターフェースなどを自動的に検知し監視設定を自動生成します
- シナリオベースのWeb監視機能による柔軟なWebアプリケーションの監視
- 豊富な監視機能を有し、かつスクリプトなどを利用した拡張的な監視によりすべてのものを一元的に監視可能
- どこからでもアクセス可能なWebブラウザベースのインターフェース
ZabbixはオープンソースでGPL General Public Licenseのもと開発を行っており、商用、非商用に関わらず無料で利用が可能です。世界のほぼすべての国のあらゆる業界で活発に利用されており、フォーチュン500社のうち50%以上の企業で利用されています。
[Zabbix社について]
Zabbix LLCは2005年に設立し、ラトビア共和国の首都リガにある本社ではソフトウェア開発を行っています。日本支社であるZabbix Japanは日本国内向けの公式なサポートやトレーニングを提供しています。
Zabbix社の主力製品は、オープンソースで配布されるエンタープライズモニタリングソリューションのZabbixです。Zabbix社は技術およびコンサルタントサポート、Zabbixの導入、実装、カスタム開発のサービス、およびZabbixのプロフェッショナルトレーニングなど幅広い商用サービスを提供しています。ユーザのニーズに対する柔軟なアプローチと、最高のサービスを手頃な価格で提供することに重点を置いています。Zabbix社には世界中に各地域を代表する100以上のパートナーがいます。
会社名:Zabbix Japan LLC
代表者:代表 寺島 広大
所在地:〒105-0021 東京都港区東新橋 2-16-3 カーザベルソーレ 8F
Webサイト:https://www.zabbix.com/jp/
*ZabbixはZabbix LLCのラトビアおよびその他の国における登録商標または商標です。