エンタープライズ向けにパフォーマンスとスケーラビリティを追求したオープンソース監視ソフトウェア「Zabbix 7.0 LTS」をリリース
2024年6月5日
Zabbix社(本社Zabbix LLC:ラトビア共和国、代表取締役社長:Alexei Vladishev(アレクセイ ウラジシェフ)、日本支社Zabbix Japan LLC:東京都港区、代表:寺島 広大)は、オープンソース監視ソフトウェア「Zabbix」の最新バージョン「Zabbix 7.0 LTS」を2024年6月4日にリリースしました。
最新のLTS(Long Term Support:長期サポート)のメジャーバージョンである「Zabbix 7.0 LTS」は、エンタープライズレベルの企業向けにパフォーマンスの向上とスケーラビリティの強化を実現しています。Web監視の大幅な強化、ZabbixプロキシのHAとロードバランシング、パフォーマンスとスケーラビリティの大幅な改善、多要素認証(MFA)、新しいダッシュボードウィジェットによるデータの可視化など、幅広い新機能と改善を行っています。
総合的なWeb監視機能
マルチステップのブラウザベースのシナリオを定義することで、Webサイトやアプリケーションを柔軟に監視できるようになりました。また、現在のWebサイトの状態のスクリーンショットをキャプチャして保存する機能や、Webサイトのパフォーマンスと可用性のメトリクスを収集および可視化する機能を搭載し、Webアプリケーションデータを抽出、監視、分析し、検知した障害を通知することができます。
ZabbixプロキシのHAとロードバランシング
自動的なプロキシのHAとロードバランシング機能により、Zabbixの監視処理を容易に拡張でき、100%の可用性を確保できます。ロードバランスされたプロキシグループ経由で監視するように監視対象を登録でき、グループにプロキシを追加することでシームレスにスケールさせることが可能です。
より高速で効率的なZabbixプロキシ
Zabbixプロキシは収集した監視データをインメモリデータストレージに保存できるようになりました。データの保存先をディスク、メモリ、ハイブリッドプロキシバッファモードから選択でき、特に組み込みハードウェアで動作させる場合や、エッジコンピューティングの利用で活用できます。利用するハードウェアに応じて、メモリモードまたはハイブリッドモードに切り替えることで10~100倍の性能向上を期待できます。
データ収集のパフォーマンスとスケーラビリティの向上
これまで同期的に監視データを収集していたpollerプロセスを、非同期に処理できるように改善しました。これによりZabbixエージェント、SNMPエージェント、HTTPエージェントの監視データ収集のポーリング処理のパフォーマンスとスケーラビリティが大幅に向上します。
監視データの収集処理を開始した後、応答結果を待つことなく次の監視処理が実行でき、1つのpollerプロセスで最大1000の監視データ収集を平行処理できるようになりました。
データ収集タイムアウトの集中制御
データ収集のタイムアウト設定を一元的に制御できるようになり、データ収集に時間がかかるアイテムやカスタム監視の監視処理を改善できます。タイムアウト設定はアイテムタイプごとに設定でき、プロキシごとやアイテムごとに上書きすることも可能です。また、タイムアウト設定はWebインターフェースやAPI経由で設定が可能になりました。
新しいデータの可視化機能
ダッシュボードにさまざまな新しいウィジェットを追加し、メトリックやインフラの監視データをより総合的に表示ができるようになりました。
- ハニカム
- ゲージ
- 円グラフ
- トップ・トリガー
- アイテムとホストナビゲータ
ダイナミックダッシュボード・ウィジェット・ナビゲーション
新しい通信フレームワークにより、ダッシュボードのウィジェット間でコミュニケーションが行えるようになりました。他のウィジェットをデータソースとして設定でき、データソースの選択によりウィジェットに表示する情報は動的に更新されます。
多要素認証の対応
多要素認証(MFA)を利用でき、エンタープライズで求められるセキュリティを確保でき、より自由度の高いユーザー認証設定が可能になりました。時間ベースのワンタイムパスワード(TOTP)認証やDuoユニバーサルプロンプト認証に対応します。
新しいテンプレート
多くの一般的なベンダーの機器やクラウドプラットフォームの新しいテンプレートを標準搭載しています。
Zabbix 7.0 LTSのダウンロード
なお、「Zabbix 7.0 LTS」は2024年6月12日(水)〜14日(金)に千葉・幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2024」に出展します。また、同イベント内で行われる「Best of Show Award」において、マネジメント&モニタリング部門でファイナリストにノミネートされています。
- ◆Best of Show Award とは
- 出展企業各社からエントリーされる選りすぐりの新製品を、有力メディア各社のキーマンと、学術界の識者によって編成される審査委員会が審査し、「今年の一品」を決定するアワードです。会期当日の本審査にて、ファイナリストの中からグランプリが選出されます。https://www.interop.jp/2024/award/
[Zabbix監視ソリューションについて]
Zabbixは多数のサーバー、仮想マシン、ネットワーク機器、アプリケーションから数百万の監視データを収集し、リアルタイム監視を実現するエンタープライズクラスのオープンソースの監視ソリューションです。大規模環境にも対応したパフォーマンスを持ち、正確な統計と性能情報を収集、分析、可視化や、現在の状況や潜在的な問題を遅延なく通知することが可能です。
ZabbixはオープンソースでGNU Affero General Public License version 3 (AGPLv3)のもと開発を行っており、商用、非商用に関わらず無料で利用が可能です。世界のほぼすべての国のあらゆる業界で活発に利用されています。
[Zabbix社について]
Zabbix LLCは2005年に設立し、Zabbixソフトウェア開発を行っています。また、サポート、トレーニング、コンサルティングなどZabbixに関する各種技術サービスを行っています。日本支社であるZabbix Japanは日本国内向けの公式なサポートやトレーニングを提供しています。
Zabbix社は、ユーザーのニーズに対する柔軟なアプローチと、最高のサービスを手頃な価格で提供することに重点を置いており、世界中の250社以上の公式パートナー、フォーチュン500社数社を含む様々な業界の大規模な顧客へ向けて技術支援を行っています。
*ZabbixはZabbix LLCのラトビアおよびその他の国における登録商標または商標です。