このセクションでは、Duktapeで実装されたJavaScript言語へのZabbixの追加機能と、サポートされているグローバルJavaScript関数について説明します。
プリプロセスのJavaScriptでは、宣言されていない代入を使用しないでください。 ローカル変数を宣言するにはvarを使用してください。
Zabbixオブジェクトは、Zabbixの内部機能との連携を提供します。
| メソッド | 説明 |
|---|---|
log(loglevel, message) |
<loglevel>のログレベル(設定ファイルのDebugLevelパラメータを参照)で<message>をZabbixログに書き込みます。 |
例:
以下のエイリアスを使用できます:
| エイリアス | エイリアス先 |
|---|---|
| console.log(object) | Zabbix.log(4, JSON.stringify(object)) |
| console.warn(object) | Zabbix.log(3, JSON.stringify(object)) |
| console.error(object) | Zabbix.log(2, JSON.stringify(object)) |
スクリプト実行ごとに記録されるすべてのメッセージの合計サイズは8MBに制限されています。
| メソッド | 説明 |
|---|---|
sleep(delay) |
JavaScriptの実行をdelayミリ秒遅延させます。 |
例(15秒遅延):
このオブジェクトはcURLハンドルをカプセル化し、シンプルなHTTPリクエストを実行できるようにします。 エラーは例外としてスローされます。
複数のHttpRequestオブジェクトの初期化は、スクリプト実行ごとに最大10個に制限されています。
| メソッド | 説明 |
|---|---|
addHeader(value) |
HTTPヘッダーフィールドを追加します。このフィールドは、clearHeader()メソッドでクリアされるまで、以降のすべてのリクエストで使用されます。1つの HttpRequestオブジェクトに追加できるヘッダーフィールドの合計長は128Kバイトに制限されています(特殊文字およびヘッダー名を含む)。 |
clearHeader() |
HTTPヘッダーをクリアします。ヘッダーフィールドが設定されていない場合、HttpRequestは、投稿されるデータがJSON形式の場合はContent-Typeをapplication/jsonに、それ以外の場合はtext/plainに設定します。 |
connect(url) |
URLにHTTP CONNECTリクエストを送信し、レスポンスを返します。 |
customRequest(method, url, data) |
最初のパラメータで任意のHTTPメソッドを指定できます。URLにメソッドリクエストをオプションのdataペイロードとともに送信し、レスポンスを返します。 |
delete(url, data) |
URLにHTTP DELETEリクエストをオプションのdataペイロードとともに送信し、レスポンスを返します。 |
getHeaders(<asArray>) |
受信したHTTPヘッダーフィールドのオブジェクトを返します。asArrayパラメータは"true"(例:getHeaders(true))、"false"、または未定義に設定できます。"true"に設定すると、受信したHTTPヘッダーフィールド値は配列として返されます。これは、同じ名前の複数のヘッダーのフィールド値を取得する場合に使用します。未設定または"false"に設定した場合、受信したHTTPヘッダーフィールド値は文字列として返されます。 |
get(url, data) |
URLにHTTP GETリクエストをオプションのdataペイロードとともに送信し、レスポンスを返します。 |
head(url) |
URLにHTTP HEADリクエストを送信し、レスポンスを返します。 |
options(url) |
URLにHTTP OPTIONSリクエストを送信し、レスポンスを返します。 |
patch(url, data) |
URLにHTTP PATCHリクエストをオプションのdataペイロードとともに送信し、レスポンスを返します。 |
put(url, data) |
URLにHTTP PUTリクエストをオプションのdataペイロードとともに送信し、レスポンスを返します。 |
post(url, data) |
URLにHTTP POSTリクエストをオプションのdataペイロードとともに送信し、レスポンスを返します。 |
getStatus() |
直前のHTTPリクエストのステータスコードを返します。 |
setProxy(proxy) |
HTTPプロキシを"proxy"値に設定します。このパラメータが空の場合、プロキシは使用されません。 |
setHttpAuth(bitmask, username, password) |
有効なHTTP認証方式(HTTPAUTH_BASIC、HTTPAUTH_DIGEST、HTTPAUTH_NEGOTIATE、HTTPAUTH_NTLM、HTTPAUTH_NONE)を'bitmask'パラメータで設定します。 HTTPAUTH_NONEフラグはHTTP認証を無効にします。 例: request.setHttpAuth(HTTPAUTH_NTLM | HTTPAUTH_BASIC, username, password)request.setHttpAuth(HTTPAUTH_NONE) |
trace(url, data) |
URLにHTTP TRACEリクエストをオプションのdataペイロードとともに送信し、レスポンスを返します。 |
例:
try {
Zabbix.log(4, 'jira webhook script value='+value);
var result = {
'tags': {
'endpoint': 'jira'
}
},
params = JSON.parse(value),
req = new HttpRequest(),
fields = {},
resp;
req.addHeader('Content-Type: application/json');
req.addHeader('Authorization: Basic '+params.authentication);
fields.summary = params.summary;
fields.description = params.description;
fields.project = {"key": params.project_key};
fields.issuetype = {"id": params.issue_id};
resp = req.post('https://jira.example.com/rest/api/2/issue/',
JSON.stringify({"fields": fields})
);
if (req.getStatus() != 201) {
throw 'Response code: '+req.getStatus();
}
resp = JSON.parse(resp);
result.tags.issue_id = resp.id;
result.tags.issue_key = resp.key;
} catch (error) {
Zabbix.log(4, 'jira issue creation failed json : '+JSON.stringify({"fields": fields}));
Zabbix.log(4, 'jira issue creation failed : '+error);
result = {};
}
return JSON.stringify(result);XMLオブジェクトは、アイテムおよびローレベルディスカバリの前処理やWebhookでXMLデータの処理を可能にします。
XMLオブジェクトを使用するには、サーバー/プロキシをlibxml2サポート付きでコンパイルする必要があります。
| メソッド | 説明 |
|---|---|
XML.query(data, expression) |
XPathを使用してノードの内容を取得します。ノードが見つからない場合はnullを返します。 expression - XPath式; data - 文字列としてのXMLデータ。 |
XML.toJson(data) |
XML形式のデータをJSONに変換します。 |
XML.fromJson(object) |
JSON形式のデータをXMLに変換します。 |
例:
入力:
<menu>
<food type = "breakfast">
<name>Chocolate</name>
<price>$5.95</price>
<description></description>
<calories>650</calories>
</food>
</menu>出力:
{
"menu": {
"food": {
"@type": "breakfast",
"name": "Chocolate",
"price": "$5.95",
"description": null,
"calories": "650"
}
}
}XMLからJSONへの変換は、以下のルールに従って処理されます(JSONからXMLへの変換では逆のルールが適用されます)。
1. XML属性は、名前の前に「@」が付いたキーに変換されます。
例:
入力:
出力:
2. セルフクローズ要素(<foo/>)は「null」値として変換されます。
例:
入力:
出力:
3. 空の属性(値が"")は空文字列('')値として変換されます。
例:
入力:
出力:
4. 同じ要素名の複数の子ノードは、値の配列を持つ単一のキーに変換されます。
例:
入力:
出力:
5. テキスト要素に属性や子要素がない場合、文字列として変換されます。
例:
入力:
出力:
6. テキスト要素に子要素はないが属性がある場合、テキスト内容は「#text」キーと値を持つ要素に変換され、属性はシリアライズルール1で説明したように変換されます。
例:
入力:
出力:
Duktapeで追加のグローバルJavaScript関数が実装されています:
try {
b64 = btoa("test string");
buffer = atob(b64);
// デコードロジックはバッファのデータフォーマットに依存することに注意してください。
decoded = String.fromCharCode.apply(this, [].slice.call(buffer));
}
catch (error) {
return {'error.name' : error.name, 'error.message' : error.message};
}md5(data) - データのMD5ハッシュを計算します
sha256(data) - データのSHA256ハッシュを計算します
hmac('<hash type>',key,data) - HMACハッシュを16進数形式の文字列で返します。MD5およびSHA256ハッシュタイプがサポートされています。keyおよびdataパラメータはバイナリデータをサポートします。 例:
hmac('md5',key,data)hmac('sha256',key,data)sign(hash,key,data) - 計算された署名(SHA-256によるRSA署名)を文字列として返します。ここで:
hash - 'sha256'のみ許可され、それ以外はエラーがスローされます。
key - 秘密鍵。 PKCS#1またはPKCS#8標準に準拠している必要があります。 鍵はさまざまな形式で指定できます:
\nを使用;鍵はユーザーマクロ/シークレットマクロ/ボールトからロードすることもできます。
data - 署名されるデータ。 文字列(バイナリデータもサポート)またはバッファ(Uint8Array/ArrayBuffer)で指定できます。
署名の計算にはOpenSSLまたはGnuTLSが使用されます。 これらの暗号化ライブラリのいずれも組み込まれていない場合、エラーがスローされます('missing OpenSSL or GnuTLS library')。