2 ユーザーマクロ
概要
ユーザーマクロは、標準でサポートされているマクロに加えて、より高い柔軟性を実現するためにZabbixでサポートされています。
ユーザーマクロは、グローバル、テンプレート、ホストの各レベルで定義できます。これらのマクロは、次の特別な構文を持ちます。
{$MACRO}
Zabbixは、次の優先順位に従ってマクロを解決します。
- ホストレベルのマクロ(最初に確認)
- ホストの第1レベルのテンプレート(つまり、ホストに直接リンクされたテンプレート)で定義されたマクロ。テンプレートID順にソート
- ホストの第2レベルのテンプレートで定義されたマクロ。テンプレートID順にソート
- ホストの第3レベルのテンプレートで定義されたマクロ。テンプレートID順にソート、以下同様
- グローバルマクロ(最後に確認)
言い換えると、あるマクロがホストに存在しない場合、Zabbixは深さが浅い順にホストのテンプレート内でそのマクロを探します。それでも見つからない場合は、存在すればグローバルマクロが使用されます。
同じ名前のマクロが同じレベルの複数のリンク済みテンプレートに存在する場合、最もIDの小さいテンプレートのマクロが使用されます。したがって、複数のテンプレートに同じ名前のマクロを持たせることは、設定上のリスクとなります。
Zabbixがマクロを見つけられない場合、そのマクロは解決されません。
マクロ(ユーザーマクロを含む)は、複雑な設定をより分かりやすくするため、仕様により設定セクション(たとえばトリガー一覧)では未解決のまま表示されます。
ユーザーマクロは次の場所で使用できます。
グローバルマクロとホストマクロの一般的な使用例
- グローバルマクロを複数の場所で使用し、マクロの値を変更すると、ワンクリックですべての場所に設定変更が適用されます。
- ホスト固有の属性(パスワード、ポート番号、ファイル名、正規表現など)を持つテンプレートを活用します。
グローバルマクロの追加、更新、削除を行うと、すべてのホストに対して増分設定更新が強制されるため、グローバルマクロではなくホストマクロを使用することを推奨します。詳細については、パッシブおよびアクティブなエージェントチェックを参照してください。
設定
ユーザーマクロを定義するには、Webインターフェース内の該当する場所に移動します。
- グローバルマクロの場合は、Administration → Macros を開きます
- ホストおよびテンプレートレベルのマクロの場合は、ホストまたはテンプレートのプロパティを開き、 Macros タブを探します
ユーザーマクロには、次の属性があります。

| Parameter | Description |
|---|---|
| Macro | マクロ名。名前は中括弧で囲み、ドル記号で始める必要があります。 例: {$FRONTEND_URL}。マクロ名で使用できる文字は次のとおりです: A-Z(大文字のみ)、0-9、_、. |
| Value | マクロ値。3種類の値タイプがサポートされています。 Text(デフォルト)- プレーンテキスト値 Secret text - 値はアスタリスクでマスクされます Vault secret - 値には、vault secret へのパス/クエリが含まれます。 値タイプを変更するには、値入力フィールドの末尾にあるボタンをクリックします。 ユーザーマクロ値の最大長は2048文字です。 |
| Description | このマクロに関する詳細情報を提供するためのテキストフィールドです。 |
ユーザーマクロを設定する際は、以下のコンテキスト固有の動作に注意してください。
- ユーザーマクロがテンプレートのアイテムまたはトリガーで使用される場合は、それらのマクロをテンプレートにも追加することを検討してください(グローバルに定義されている場合でも)。そうすることで、テンプレートをXMLにエクスポートして別のシステムにインポートした後も、Text タイプのマクロが期待どおりに動作します(シークレットマクロの値はエクスポートされません)
- ユーザーマクロがトリガー式で使用される場合、それらのマクロはパラメータまたは定数を参照している場合にのみ展開されます。ホスト、アイテムキー、関数、演算子、または別のトリガー式を参照している場合は展開されません(シークレットマクロはトリガー式では使用できません)
- ユーザーマクロが、ホストプロトタイプを持つローレベルディスカバリルールが設定されたホストで使用される場合、discovered hosts はそのホストで定義されたすべてのユーザーマクロを継承します
例
例 1
"Status of SSH daemon" item キーにホストレベルマクロを使用する。
net.tcp.service[ssh,,{$SSH_PORT}]
この項目は、複数のホストで {$SSH_PORT} の値が定義されている場合に、複数のホストに割り当てることができます。
例 2
"CPU load is too high" トリガー でのホストレベルマクロの使用:
last(/ca_001/system.cpu.load[,avg1])>{$MAX_CPULOAD}
このようなトリガーは、個々のホストで編集するのではなく、テンプレート上で作成されることになります。
値の量を関数のパラメーターとして使用する場合(例えば, max(/host/key,#3)),
SOME_PERIOD => #3
というようにマクロ定義にハッシュ記号を入れてください。
例 3
"CPU load is too high" トリガーで2つのマクロを使用する:
min(/ca_001/system.cpu.load[,avg1],{$CPULOAD_PERIOD})>{$MAX_CPULOAD}
マクロはトリガー関数(この例では関数min())のパラメータとして使用することができることに注意。
例 4
agent の利用不可条件と item の更新間隔を同期させる。:
- {INTERVAL} マクロを定義し、item の更新間隔に使用する。
- {INTERVAL} を agent 使用不可トリガーのパラメータとして使用する。
nodata(/ca_001/agent.ping,{$INTERVAL})=1
例 5
稼働時間の設定を一元化します。
1-5,09:00-18:00に等しいグローバルマクロ {$WORKING_HOURS} を作成します。- Administration → General → GUI の Working time フィールドでこれを使用します。
- Users → Users のユーザーの Media タブにある When active フィールドでこれを使用します。
- 稼働時間中にアイテムをより高頻度でポーリングする設定にこれを使用します。

- Time period アクション条件でこれを使用します。
- 必要に応じて、Administration → Macros で稼働時間を調整します。
例 6
ホストプロトタイプマクロを使用して、検出されたホストの item を設定します:
ホストプロトタイプで、{$SNMPVALUE} を {#SNMPVALUE}low-level discovery マクロ値として定義します:

- ホストプロトタイプに Generic SNMPv2 テンプレートを割り当てます。
- {SNMPVALUE} を使用します。汎用SNMPv2テンプレート項目の SNMP OID* フィールドに {$SNMPVALUE} を使用します。
ユーザーマクロのコンテキスト
user macros with context を参照してください。