LDAP

概要

外部LDAP認証を使用して、ユーザー名とパスワードを確認できます。

ZabbixのLDAP認証は、少なくともMicrosoft Active DirectoryおよびOpenLDAPで動作します。

LDAPサインインのみが設定されている場合、ユーザーはZabbixにも存在する必要がありますが、そのZabbixパスワードは使用されません。 認証が成功すると、ZabbixはLDAPから返されたユーザー名属性とローカルのユーザー名を照合します。

ユーザーのプロビジョニング

LDAPユーザーに対して、JIT(Just-In-Time)ユーザーのプロビジョニングを設定できます。 この場合、ユーザーがZabbixにすでに存在している必要はありません。 ユーザーアカウントは、ユーザーが初めてZabbixにログインしたときに作成できます。

LDAPユーザーがLDAPのログイン名とパスワードを入力すると、ZabbixはこのユーザーがデフォルトのLDAPサーバーに存在するかどうかを確認します。 ユーザーが存在し、まだZabbixにアカウントを持っていない場合、Zabbixに新しいユーザーが作成され、ユーザーはログインできるようになります。

JITプロビジョニングによって作成されたユーザーは、作成時にデフォルトとして設定されていたLDAPサーバー(ディレクトリ)に関連付けられます。 後からデフォルトのLDAPサーバーを変更しても、すでにプロビジョニングされたユーザーにリンクされているLDAPサーバーは変更または更新されません。

JITプロビジョニングが有効な場合、認証タブでプロビジョニング解除されたユーザー用のユーザーグループを指定する必要があります。

JITプロビジョニングを使用すると、LDAPの変更に基づいて、プロビジョニングされたユーザーアカウントを更新することもできます。 たとえば、ユーザーがあるLDAPグループから別のLDAPグループに移動された場合、Zabbixでも別のグループに移動されます。ユーザーがLDAPグループから削除された場合、Zabbixでもそのグループから削除され、他のグループにも所属していなければ、プロビジョニング解除されたユーザー用のユーザーグループに追加されます。 プロビジョニングされたユーザーアカウントは、設定されたプロビジョニング期間に基づいて、またはユーザーがZabbixにログインしたときに更新されます。

バックグラウンドプロビジョニングは、ユーザーがWebインターフェースを操作している場合、または少なくともブラウザーでWebインターフェースのページを開いている場合に、ZabbixのWebインターフェースによって実行されることに注意してください。 ユーザーをプロビジョニングする専用のバックグラウンドプロセスはありません。

LDAPでは、認証および検索のためにディレクトリにバインドする方法として、次の3つがサポートされています。

  • 匿名バインド - Bind DN / Bind passwordを指定せず、LDAPサーバーが匿名クエリを許可する方法です。
  • 専用バインドユーザー(サービスアカウント) - 特定のLDAPアカウントをBind DN / Bind passwordに設定し、Zabbixが検索およびプロビジョニングに使用する方法です。 これは、Zabbixがエンドユーザーの認証情報なしで検索およびバックグラウンドプロビジョニングを実行できるため、推奨される最も柔軟な方法です。
  • 直接ユーザーバインド - ユーザーがログイン時に入力した認証情報を使用してZabbixがバインドを実行する方法です(Bind DN / Bind passwordは設定しません)。これは、Base DNにuid=%{user}のようなプレースホルダーを含めることで設定します。 このモードでは、Zabbixは対話型ログイン中にのみユーザーのパスワードにアクセスできます。 そのため、ユーザーのログインセッション外でLDAPへの認証を必要とするプロビジョニング操作(たとえば、今すぐプロビジョニングボタンの使用や、ユーザーがアクティブにログインしていない状態でのバックグラウンドプロビジョニングの実行)は認証できず、機能しません。 直接ユーザーバインドでのプロビジョニングおよび更新は、ユーザーがログインした時点でのみ実行されます。

複数のサーバー

必要に応じて、複数のLDAPサーバーを定義できます。 たとえば、異なるユーザーグループを認証するために異なるサーバーを使用できます。 LDAPサーバーが設定されると、ユーザーグループの設定で、該当するユーザーグループに必要なLDAPサーバーを選択できるようになります。

ユーザーが複数のユーザーグループおよび複数のLDAPサーバーに属している場合、名前で昇順にソートされたLDAPサーバーのリストの最初のサーバーが認証に使用されます。

設定

設定パラメータ:

パラメータ 説明
LDAP認証を有効にする LDAP認証を有効にするには、チェックボックスをオンにします。
JITプロビジョニングを有効にする JITプロビジョニングを有効にするには、チェックボックスをオンにします。
サーバー LDAPサーバーを設定するには、追加をクリックします(下記のLDAPサーバーの設定を参照)。
大文字と小文字を区別するログイン ユーザー名の大文字と小文字を区別するログインを無効にするには、チェックボックスをオフにします(デフォルトでは有効)。
大文字と小文字を区別するログインを無効にすると、Zabbixユーザーが「Admin」または「ADMIN」であっても、例えば「admin」としてログインできます。
大文字と小文字を区別するログインが無効で、類似したユーザー名(例: Adminとadmin)を持つZabbixユーザーが複数存在する場合、それらのユーザーのログインは常に拒否され、次のエラーメッセージが表示されます: 「Authentication failed: supplied credentials are not unique.」
プロビジョニング期間 プロビジョニング期間、つまり、ログインしたユーザーがWebインターフェースの操作中にプロビジョニングされる頻度を設定します。

LDAPサーバー設定

LDAPサーバーの設定パラメーター:

Parameter Description
Name Zabbix設定におけるLDAPサーバーの名前。
Host LDAPサーバーのホスト名、IP、またはURI。例: ldap.example.com, 127.0.0.1, ldap://ldap.example.com
セキュアなLDAPサーバーでは、ldaps プロトコルとホスト名を使用します。例: ldaps://ldap.example.com
OpenLDAP 2.x.x以降では、ldap://hostname:port または ldaps://hostname:port 形式の完全なLDAP URIを使用できます。
Port LDAPサーバーのポート。デフォルトは389です。
セキュアなLDAP接続では、通常ポート番号は636です。
完全なLDAP URIを使用する場合は使用されません。
Base DN LDAPサーバー上のユーザーアカウントへのベースパス:
ou=Users,ou=system (OpenLDAPの場合),
DC=company,DC=com (Microsoft Active Directoryの場合)
uid=%{user},dc=example,dc=com (直接ユーザーbindの場合。下記の注記を参照)
Search attribute 検索に使用するLDAPアカウント属性:
uid (OpenLDAPの場合),
sAMAccountName (Microsoft Active Directoryの場合)
Bind DN LDAPサーバーへのbindおよび検索に使用するLDAPアカウント。例:
uid=ldap_search,ou=system (OpenLDAPの場合),
CN=ldap_search,OU=user_group,DC=company,DC=com (Microsoft Active Directoryの場合)
匿名bindもサポートされています。なお、匿名bindではドメイン設定が未認証ユーザーに公開される可能性があります(ユーザー、コンピューター、サーバー、グループ、サービスなどの情報)。セキュリティ上の理由から、LDAPホストでの匿名bindを無効にし、代わりに認証済みアクセスを使用してください。
Bind password LDAPサーバーへのbindおよび検索に使用するアカウントのLDAPパスワード。
Description LDAPサーバーの説明。
Configure JIT provisioning このチェックボックスをオンにすると、JIT provisioningに関連するオプションが表示されます。
Group configuration グループ設定方法を選択します:
memberOf - ユーザーとそのグループ所属属性を検索する方法
groupOfNames - member属性を通じてグループを検索する方法
memberOfのほうが高速なため推奨されます。LDAPサーバーが memberOf をサポートしていない場合、またはグループフィルタリングが必要な場合はgroupOfNamesを使用してください。
Group name attribute memberOf 属性内のすべてのオブジェクトからグループ名を取得する属性を指定します(User group membership attribute フィールドを参照)。
グループ名はユーザーグループのマッピングに必要です。
User group membership attribute ユーザーが所属するグループに関する情報を含む属性を指定します(例: memberOf)。
たとえば、memberOf属性には次のような情報が含まれる場合があります: memberOf=cn=zabbix-admin,ou=Groups,dc=example,dc=com
このフィールドはmemberOf方式でのみ使用できます。
User name attribute ユーザーの名を含む属性を指定します。
User last name attribute ユーザーの姓を含む属性を指定します。
User group mapping LDAPユーザーグループのパターンをZabbixユーザーグループおよびユーザーロールにマッピングします。
これは、プロビジョニングされたユーザーにZabbixでどのユーザーグループ/ロールが付与されるかを決定するために必要です。
マッピングを追加するには Add をクリックします。
LDAP group pattern フィールドはワイルドカードをサポートします。グループ名は既存のグループと一致する必要があります。
LDAPユーザーが複数のZabbixユーザーグループに一致する場合、そのユーザーはそれらすべてのメンバーになります。
LDAPユーザーが複数のZabbixユーザーロールに一致する場合、その中で最も高い権限レベルのロールが付与されます。
Media type mapping 通知送信用に、ユーザーのLDAP media 属性(例: email)をZabbixユーザーメディアにマッピングします(属性値はメディアの Send to フィールドとして使用されます)。
Advanced configuration 詳細設定オプションを表示するには、Advanced configuration 見出しをクリックします(下記参照)。
StartTLS LDAPサーバーへの接続時にStartTLS操作を使用する場合は、このチェックボックスをオンにします。サーバーがStartTLSをサポートしていない場合、接続は失敗します。
StartTLSは ldaps プロトコルを使用するサーバーでは使用できません。
Search filter LDAPでユーザーを認証する際のカスタム文字列を定義します。次のプレースホルダーがサポートされています:
%{attr} - 検索属性名 (uid, sAMAccountName)
%{user} - 認証するユーザー名の値
たとえば、大文字小文字を区別しないLDAPまたはMicrosoft Active Directory環境で大文字小文字を区別する検索を行うには、次のように文字列を定義します:
(%{attr}:caseExactMatch:=%{user}).
フィルターをカスタマイズしない場合、LDAPは既定値 (%{attr}=%{user}) を使用します。

直接ユーザーbind 用にLDAPサーバーを設定するには、Base DN パラメーターに属性 uid=%{user} を追加し(例: uid=%{user},dc=example,dc=com)、BindDN と Bind password パラメーターは空のままにします。 認証時、プレースホルダー %{user} はログイン時に入力されたユーザー名に置き換えられます。
直接ユーザーbindでは、Zabbixがユーザーの資格情報にアクセスできるのは対話型ログイン中のみです。 そのため、対話型ログインなしで動作するプロビジョニングタスク(たとえば Provision now ボタンや user.provision APIメソッド)は、直接ユーザーbindで認証したユーザーを無視します。これは、Zabbixがそのユーザーの代わりにbindできないためです。 Webインターフェースでエンドユーザーのログインを必須にせずにプロビジョニングやLDAP検索を動作させる必要がある場合は、匿名bindまたは専用のbindユーザー(サービスアカウント)を使用してください。

以下のフィールドは、Group configuration 方法として "groupOfNames" を使用する場合に固有です:

Parameter Description
Group base DN LDAPサーバー上のグループへのベースパス。
Group name attribute 指定したグループのベースパス内でグループ名を取得する属性を指定します。
グループ名はユーザーグループのマッピングに必要です。
Group member attribute LDAP内のグループメンバーに関する情報を含む属性を指定します(例: member)。
Reference attribute グループフィルター用の参照属性を指定します(Group filter フィールドを参照)。
その後、ここで指定した属性の値を取得するために、グループフィルター内で %{ref} を使用します。
Group filter ユーザーがメンバーであるグループを取得するためのフィルターを指定します。
たとえば、(member=uid=%{ref},ou=Users,dc=example,dc=com) は、グループの member 属性が uid=User1,ou=Users,dc=example,dc=com の場合に "User1" に一致し、"User1" がメンバーであるグループを返します。

証明書に問題がある場合、セキュアなLDAP接続(ldaps)を動作させるには、/etc/openldap/ldap.conf 設定ファイルに TLS_REQCERT allow 行を追加する必要がある場合があります。 これにより、LDAPカタログへの接続のセキュリティが低下する可能性があります。

実際のユーザーアカウント(Zabbix Webインターフェースへのログインに使用するアカウント)ではなく、LDAPサーバーへのbindおよび検索を最小権限で実行するための別個のLDAPアカウント(Bind DN)を作成することを推奨します。
この方法はより安全であり、ユーザーがLDAPサーバー上で自分のパスワードを変更しても Bind password を変更する必要がありません。
上の表では、これが ldap_search アカウント名です。

アクセスのテスト

テスト ボタンを使用すると、ユーザーアクセスをテストできます。

パラメーター 説明
ログイン テストするLDAPユーザー名(ZabbixのWebインターフェースに現在ログインしているユーザー名があらかじめ入力されています)。このユーザー名はLDAPサーバーに存在している必要があります。
テストユーザーを認証できない場合、ZabbixはLDAP認証を有効にしません。
ユーザーパスワード テストするLDAPユーザーのパスワード。