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5 シンプルチェック

概要

シンプルチェックは、通常、リモートエージェントを使用しないサービスをチェックするために使用します。

なお、シンプルチェックではZabbix agent は必要ありません。
Zabbix server / proxy はシンプルチェックの処理(外部接続の確立など)を担当します。

シンプルチェックの利用例

net.tcp.service[ftp,,155]
       net.tcp.service[http]
       net.tcp.service.perf[http,,8080]
       net.udp.service.perf[ntp]

シンプルチェック項目のUser nameおよびPasswordフィールドはVMwareの監視項目に使用され、それ以外は無視されます。

サポートされているシンプルチェック

サポートするシンプルチェックの一覧です:

こちらも参照のこと:

Key
説明 戻り値 パラメータ コメント
icmpping[<target>,<packets>,<interval>,<size>,<timeout>]
ICMP ping によるホスト アクセス 0 - ICMP ping 失敗

1 - ICMP ping 成功
target - ホストIPまたは DNS 名
packets - パケット数
interval - 連続するパケット間の時間 (ミリ秒単位)
size - パケットサイズ (バイト単位)
timeout - タイムアウト (ミリ秒単位)
例:
=> icmpping[,4] → 4 つのパケットのうち少なくとも 1 つのパケットが返された場合、アイテムは 1 を返します。

参照: デフォルト値の表
icmppingloss[<target>,<packets>,<interval>,<size>,<timeout>]
パケットロスの割合 浮動小数点 target - ホスト IP または DNS 名
packets - パケット数
interval - 連続するパケット間の時間 (ミリ秒単位)
size - パケットサイズ (バイト単位)
timeout - タイムアウト (ミリ秒単位)
参照: デフォルト値の表
icmppingsec[<target>,<packets>,<interval>,<size>,<timeout>,<mode>]
ICMP ping 応答時間 (秒単位) 浮動小数点 target - ホスト IP または DNS 名
packets - パケット数
interval - 連続するパケット間の時間 (ミリ秒単位)
size - パケットサイズ (バイト単位)
timeout - タイムアウト (ミリ秒単位)
mode - 使用可能な値: min, max, avg (デフォルト)
パケットロスやタイムアウトパケットは計算に使用されません。

ホストが使用できない (タイムアウトに達した) 場合、アイテムは 0 を返します。
戻り値が 0.0001 秒未満の場合、 値は 0.0001 秒に設定されます。

参照: デフォルト値の表
net.tcp.service[service,<ip>,<port>]
サービスが実行中であり、TCP 接続を受け入れているかどうかを確認します。 0 - サービス停止

1 - サービス実行中
service - 使用可能な値: ssh, ldap, smtp, ftp, http, pop, nntp, imap, tcp, https, telnet (参照:詳細)
ip - IP アドレスまたは DNS 名 (デフォルトではホスト IP/DNS が使用されます)
port - ポート番号(デフォルトでは、標準のサービス ポート番号が使用されます)
例:
=> net.tcp.service[ftp,,45] → TCP ポート 45 で FTP サーバーの可用性をテストします

ポートを示す tcp サービスは必須であることに注意してください。
これらのチェックにより、システム デーモンのログファイルに追加のメッセージが記録される場合があります (SMTP および SSH セッションは通常ログに記録されます)。
暗号化されたプロトコル (ポート 993 の IMAP やポート 995 の POP など) のチェックは現在サポートされていません。 回避策として、このようなチェックには net.tcp.service[tcp,<ip>,port] を使用してください。
https および telnet サービスは、Zabbix 2.0 以降でサポートされています。
net.tcp.service.perf[service,<ip>,<port>]
TCP サービスのパフォーマンスをチェックします 浮動小数点

0.000000 - サービス停止

秒 - サービスへの接続にかかった秒数
service - 使用可能な値: ssh, ldap, smtp, ftp, http, pop, nntp, imap, tcp, https, telnet (参照:詳細)
ip - IP アドレスまたは DNS 名 (デフォルトではホスト IP/DNS が使用されます)
port - ポート番号(デフォルトでは、標準のサービス ポート番号が使用されます)
例:
=> net.tcp.service.perf[ssh] → SSH サーバーの初期応答速度をテストします。

ポートを示す tcp サービスが必須であることに注意してください。
暗号化されたプロトコルのチェック (ポート 993 の IMAP またはポートの POP など) 995) は現在サポートされていません。 回避策として、これらのチェックには net.tcp.service.perf[tcp,<ip>,port] を使用してください。
https および telnet サービスは、Zabbix 2.0 以降でサポートされています。
Zabbix 2.0より前はtcp_perfと呼ばれていました。
net.udp.service[service,<ip>,<port>]
サービスが実行中であり、UDP 要求に応答しているかどうかを確認します。 0 - サービス停止

1 - サービス実行中
service - 使用可能な値: ntp (参照:詳細)
ip - IP アドレスまたは DNS 名 (デフォルトではホスト IP/DNS が使用されます)
port - ポート番号(デフォルトでは、標準のサービス ポート番号が使用されます)
例:
=> net.udp.service[ntp,,45] → UDP ポート 45 で NTP サービスの可用性をテストします。

このアイテムは Zabbix 3.0 以降でサポートされていますが、ntp サービスは以前のバージョンでは net.tcp.service[] アイテムで利用可能でした。
net.udp.service.perf[service,<ip>,<port>]
UDP サービスのパフォーマンスをチェックします。 浮動小数点

0.000000 - サービス停止

秒 - サービスからの応答の待機にかかった秒数
service - 使用可能な値: ntp (参照詳細)
ip - IP アドレスまたは DNS 名 (デフォルトではホスト IP/DNS が使用されます)
port - ポート番号(デフォルトでは、標準のサービス ポート番号が使用されます)
例:
=> net.udp.service.perf[ntp] → NTP サービスからの応答時間をテストします。

このアイテムは Zabbix 3.0 以降でサポートされていますが、ntp サービスは以前のバージョンでは net.tcp.service[] アイテムで利用可能でした。

LDAPシンプルチェック(例: net.tcp.service[ldap]) でSourceIPをサポートするには、OpenLDAPバージョン2.6.1
またはそれ以上が必要です。SourceIPはZabbix 6.0.1以降、LDAPシンプルチェックでサポートされています。

タイムアウト処理

Zabbixは、Zabbix server / proxy 設定ファイルに定義されたタイムアウト秒数以上のシンプルチェックは処理しません。

ICMP ping

ZabbixはICMP pingの処理に外部ユーティリティfpingを使用しています。

このユーティリティはZabbixの配布物には含まれていないため、追加でインストールする必要があります。
ユーティリティがない場合、パーミッションが正しくない場合、またはユーティリティの場所が
Zabbix server / proxy 設定ファイル('FpingLocation'パラメータ)で設定した場所と一致しない場合、 ICMP Ping(icmpping, icmppingloss, icmppingsec) は処理されません。

known issues もあわせて参照してください。

fpingは、Zabbix daemon が実行されるユーザで実行可能である必要があります。setuid root で実行する必要があります。
正しいパーミッションを設定するために、ユーザrootとして以下のコマンドを実行してください。

shell> chown root:zabbix /usr/sbin/fping
       shell> chmod 4710 /usr/sbin/fping

上記 2 つのコマンドを実行した後、fping 実行ファイルの所有権を確認します。 場合によっては、chmod コマンドを実行することで、所有権をリセットできる場合があります。

また、ユーザ zabbix がグループ zabbix に属しているかどうかも確認してください。

shell> groups zabbix

zabbix グループに追加されていない場合は、以下を実行してください。

shell> usermod -a -G zabbix zabbix

ICMPチェックパラメータのデフォルト値、制限値の説明:

パラメータ 単位 説明 Fpingのflag デフォルト値 制限値
by Zabbix
fping Zabbix min max
packets number number of request packets to a target -C 3 1 10000
interval milliseconds time to wait between successive packets -p 1000 20 unlimited
size bytes packet size in bytes
56 bytes on x86, 68 bytes on x86_64
-b 56 or 68 24 65507
timeout milliseconds fping v3.x - timeout to wait after last packet sent, affected by -C flag
fping v4.x - individual timeout for each packet
-t fping v3.x - 500
fping v4.x - inherited from -p flag, but not more than 2000
50 unlimited

さらに、Zabbix は fping オプションとして、-i interval ms (上表の item パラメータ interval
混同しないように注意してください) と-S source IP address(旧fpingバージョンでは-I)を使用します。
これらのオプションは、異なるオプションの組み合わせでチェックを実行することで、自動的に検出されます。
Zabbixは、fping が -i で使用できる最小値をミリ秒単位で検出するため、0、1、10の3つの値を試します。
最初に成功した値がその後のICMPチェックに使われます。この処理は、各ICMP pinger プロセスが個別に行います。

自動検出された fping オプションは、1時間ごとに無効化され、次回のICMP検査時に再度検出されます。
このプロセスの詳細を表示するには、DebugLevel>=4 に設定します。
server または proxy のログファイルにこのプロセスの詳細が表示されます。

警告: fping のデフォルトは、プラットフォームとバージョンによって異なる場合があります。
fping のドキュメントを確認してください。

Zabbixは、3つのicmppingキーでチェックするIPアドレスを一時ファイルに書き込み、
このファイルをfpingに渡します。item キーパラメータが異なる項目は、キーパラメータが同一のもの
のみ1つのファイルに書き込まれます。
1つのファイルに書き込まれた全てのIPアドレスを並列にfpingでチェックするため、Zabbixのicmpピンガープロセスは
ファイル内のIPアドレスの数に関係なく、一定の時間を費やします。