18 Zabbix 6.0.13 の新機能

重大な変更

読み込み可能なプラグインのバージョン管理

Zabbix エージェント 2 で読み込み可能なプラグイン のバージョン管理システムは、Zabbix本体と同様のものを採用するようになりました。 これに伴うバージョン変更は次の通りです:

  • MongoDB 1.2.0 -> MongoDB 6.0.13
  • PostgreSQL 1.2.1 -> PostgreSQL 6.0.13

これらのプラグインは、Zabbix 6.0 のすべてのマイナーバージョンでサポートされています。 各プラグインのソースコードのレポジトリは、 専用の release/6.0 ブランチをもつようになりました。 (変更前は、master ブランチのみ)

MariaDB 10.10のサポート

現在サポートされているMariaDB の最大バージョンは、10.10.Xです。

設定のインポート

以前は、インポート可能な設定情報 (ホストグループ、アイテム、グラフなど) の UUID の不一致により、インポートの処理が失敗することがありました。例えば、同じ名前のホストグループがホストに既に存在している場合、ホストグループをインポートすることができませんでした。

新しいバージョンでは、UUIDの不一致が原因でインポートが失敗することはありません。代わりに、エンティティはエンティティ ID (名前) などの一意性条件によって照合されます。エンティティがインポートされると、UUID はインポートされたエンティティの UUID に更新されます。

別の改善点として、インポートされたテンプレートまたはホストを介してテンプレートのリンクを削除(テンプレートのリンクのDelete missingオプション)すると、これらのエンティティがインポートファイルから欠落し、かつ特定のエンティティのDelete missingオプションがマークされていない限り、リンクされていないテンプレートの継承されたエンティティは削除されなくなります(テンプレートはリンク解除され、リンク解除およびクリアされません)。

この変更により、テンプレートのリンクのDelete missingオプションを選択した場合の警告メッセージは表示されなくなります。

Zabbixエージェント2を使用したOracleデータベース内の個別のテーブルスペースのクエリ

Oracleプラグインでサポートされている以下の Zabbixエージェント2のアイテムに、オプションパラメーターが追加されました。

  • oracle.diskgroups.stats[<existingParameters>,<diskgroup>]
  • oracle.archive.info[<existingParameters>,<destination>]
  • oracle.cdb.info[<existingParameters>,<database>]
  • oracle.pdb.info[<existingParameters>,<database>]
  • oracle.ts.stats[<existingParameters>,<tablespace>,<type>]

これらのパラメータを使用すると、すべてのデータではなくデータの個別のインスタンスをクエリできるため、パフォーマンスが向上します。

docker.container_info[]で追加情報取得

docker.container_info[] Zabbixエージェント2のアイテムは、Dockerコンテナに関する部分的(短い)または完全な低レベルの情報を取得するオプションをサポートするようになりました。

プロファイリングのランタイムコマンド

プロファイリング用のランタイムコマンドが、ZabbixサーバーとZabbixプロキシに追加されました。

  • prof_enable - プロファイリングを有効化
  • prof_disable - プロファイリングを無効化

プロファイリングは、サーバーとプロキシのプロセスごとに有効にできます。プロファイリングを有効にすると、関数名ごとにすべてのrwlocks/mutexの詳細が提供されます。

参照:

JavaScript用のHMAC関数

JavaScriptエンジンに新しい関数が追加され、HMACハッシュを返すことができるようになりました:

  • hmac('<hash type>',key,string)

これは、リクエストの署名にハッシュベースのメッセージ認証コード(HMAC)が必要な場合に役立ちます。 MD5およびSHA256ハッシュタイプがサポートされています。例:

  • hmac('md5',key,string)
  • hmac('sha256',key,string)

テンプレート

新しいテンプレートが使用できます:

  • AWS EC2 by HTTP
  • AWS by HTTP
  • AWS RDS instance by HTTP
  • AWS S3 bucket by HTTP
  • Azure by HTTP
  • Control-M server by HTTP
  • Control-M enterprise manager by HTTP
  • Veeam Backup Enterprise Manager by HTTP
  • Veeam Backup and Replication by HTTP

HTTPテンプレートのセットアップ方法を参照してください。

テンプレートOracle by Zabbix agent 2 は、Zabbixエージェント2のアイテムへの変更に従って更新されました(複数の静的アイテムが削除され、複数のアイテムプロトタイプが追加されました)。

更新の詳細については、テンプレートの変更を参照してください。

これらのテンプレートは以下の方法で取得できます:

  • 新規インストールの場合は 設定テンプレート で利用可能です。
  • 以前のバージョンからアップグレードする場合、新しいテンプレートをZabbix Gitリポジトリ からダウンロードすることができます。 または、ダウンロードした最新バージョンの zabbix/templates ディレクトリにあります。その後、設定テンプレート で、手動でZabbixにインポートすることができます。

TimescaleDB 2.9のサポート

現在サポートされているTimescaleDBの最大バージョンは2.9です。

Webhook 統合

新しいメディアタイプ LINE が追加され、webhook の機能を使って Zabbix イベントの通知を LINE メッセンジャーに送信できるようになりました。

Webインターフェースの言語

Webインターフェースでカタロニア語とルーマニア語が使用できるようになりました。

Windows 用 Go言語ライブラリ の更新

Zabbix エージェント 2 で Windows を監視するために、MongoDB や PostgreSQL プラグインとともに使用されている Go 言語ライブラリは、github.com/Microsoft/go-winio, バージョン 0.6.0 です。(変更前はgithub.com/natefinch/npipe) Go 言語ライブラリ, MongoDB プラグイン依存関係, PostgreSQL プラグイン依存関係 も併せてご確認ください。

Zabbix エージェント 2 のオープンファイルディスクリプタの制限の緩和

Zabbix agent 2 パッケージでやり取りされる systemd サービスファイルのオープンファイルディスクリプタの制限は、 8196 になりました。 変更前は、システムのデフォルトの制限として、1024 が使用されていました。 新しい制限は、Zabbix エージェント 2 のデフォルト設定に十分なものとなっています。 追加のプラグインや拡張機能を使用しているなど、Zabbix エージェント 2 が標準の設定でない場合は、この制限を手動で拡張する必要があります。 その場合は、systemd ユニットファイルのLimitNOFILE パラメーターを調整してください。